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津田敏秀「医学と仮説~原因と結果の価額を考える」を超オススメ


医学と仮説――原因と結果の科学を考える (岩波科学ライブラリー)医学と仮説――原因と結果の科学を考える (岩波科学ライブラリー)
(2011/09/17)
津田 敏秀

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津田敏秀先生の新しい本を読みました。
津田先生は岡山大学大学院の教授で、疫学を専門とされていますが、医師として水俣病の検診の経験も豊富で、
ノーモア・ミナマタ訴訟でもたいへんお世話になりました。

津田先生の本はどれも非常に勉強になり、また刺激的で面白いのですが、
今度の本は、今までで一番分かり易くて、一番刺激的で超オススメです。

私自身、今までは水俣病というフィルターを通して津田先生の本や疫学に触れてきましたが、
本書では、幅の広いさまざまなケースを通じて、疫学・因果関係について解説されていて、
それが興味深いし、理解を助けます。
ピロリ菌、森永ヒ素ミルク、水俣病、和歌山ヒ素カレー、タミフル……、
「科学者」「専門家」「行政」など「権威」ある者が科学・因果関係を理解せず、
不幸を作り出してきたことにショックを受けます。
科学哲学史にも遡っていて、「ああ、そういうことだったのか!」と理解を助けます。

すべての高校生・大学生、すべての行政関係者、すべての法律家は読むべきと思います。

※とはいえ、ルンバール事件最高裁判例は、日本の弁護士の立場としては、
「自然科学的証明は不要」と言っているところを批判するよりは利用することになってしまいます。
外国では、疫学による因果関係の証明が通用して、「自然科学的証明=裁判上の証明」になるんでしょうが。
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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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