第2回将棋電王戦でA級三浦八段がGPS将棋に完敗のショック
第2回電王戦、毎週非常に面白く盛り上がりましたが、終わってしまいました。私は将棋にもコンピュータにも関心があるので、本当に興奮しました。
第1局は阿部光瑠4段の完璧な差し回しが印象に残りました。
以前、「人間の全敗の可能性も大あり」と予想しましたが、ものの見事にひっくり返してくれました。
第2局は佐藤慎一4段が中盤の3八馬など実力を見せてくれました。途中では私も人間が勝つのではないかとも思いました。じりじり差を詰められ、最後は逆転され無念の投了となりましたが、何というか体力負けの感じで、コンピュータの強さよりも人間の強さと弱さを感じました。
第3局の船江恒平5段対ツツカナはまさに激闘。船江5段は奨励会時代に詰将棋の看寿賞を受賞していて、お名前を知っていました。その後、詰将棋解答選手権優勝、加古川青流戦優勝、順位戦C級2組を全勝で一期抜けなど活躍していて、若手の注目株です。しかし、この将棋は、ツツカナの粘りが印象的でした。66銀はツツカナは自玉の詰みを読めず勝ちと思っていたので「粘り」ではなく「決め手」のつもりだったかもしれませんが、形勢を損ねた後の14歩、13玉、極めつけは23金打、32金。その前の55香も強い手でした。この1局も、人間が随所に力を見せながらも、徐々に気力と体力と持ち時間を削り取られて、最後にダウンという印象でした。
第4局は、Puella αが圧倒的な実力を見せました。入玉はコンピュータ将棋の今後の課題でしょう。2つの異質の戦略目標をバランスよく追求する、というのは、コンピュータ・ゲーム・プログラミングにとって興味深い課題なのではないでしょうか。本気で追求すれば、入玉将棋でも人間を上回るのは遠くはないでしょう。
どの将棋も面白く、ドラマティックでした。結果もある程度予想の範囲内でした。
とくに第3局はいい勝負で、船江5段にも十分勝機はありましたから、人間vsコンピュータをしばらく楽しめると思っていました。「持ち時間をもっと長くすれば人間も互角に戦えるのでは?」などと思っていました。
第5局を見るまでは。。。
ところが第5局。人間のトップに迫る実力の三浦弘行8段がGPS将棋に完敗でした。それも、人間のトップでもこう見事に勝つことはできないだろうというほどの圧倒的な内容でした。
コンピュータ将棋は人間のトップをすでに超えているようです。
かなりショックでした。
コンピュータが人間を圧倒するのが時間の問題であることは分かってはいました。その意味では、コンピュータが人間を上回ったこと自体はショックではありません。
しかし、チェスでは、最初にグランドマスターが負けてから、カスパロフとディープ・ソート、ディープ・ブルーの数年間に渡る闘いの末にようやくコンピュータが人間のトップに歴史的勝利を収めた、という経過がありました。ですから、将棋でもその歴史的闘いを数年間にわたり目撃できると私は思い、楽しみにしていました。
ところが、将棋では人間側が対局禁止令などをしいてボヤボヤしている間に、コンピュータにいつの間にか抜き去られていたわけです。
電王戦のPVを見ると、昨年の第1回で米長氏は勝つつもりだったようです。米長氏は、彼我の実力をまったく理解していなかったわけです。そのため、私たち将棋ファンは、一番熱くて興味深い歴史的な闘いを見届けることができませんでした。(きっとプロ将棋界にとっても一番商売になる瞬間をドブに捨ててしまったのでしょう。)
とはいえ、5人の勇者と5組のコンピュータソフト及び開発者には心から拍手を送りたいと思います。
5人の棋士はみな個性的で人間らしさをいろいろな角度から見せてくれました。注目しているうちに感情移入したからでしょうか、私はこの5人のファンになりました。今後もがんばっていただきたいです。
5組のソフトにも今後のさらなる成長を期待します。とくにGPSは空前のスーパースター登場です。プエラα、ツツカナを加えた3強の将棋は、非常に魅力的で、ぜひもっと見たいです。コンピュータ同士の闘いはfloodgateという場所で見られるようですが、見方がよくわからないし、見ても解説がないとすごさが分かりにくいので、人間との闘いがやはり見たいです。
1)既存の棋戦への参加
2)渡辺竜王・羽生3冠との番勝負
3)アマ強豪など人間との差し込み勝負
4)将棋倶楽部24への参戦(オール角落ちくらいでちょうど良いかも)
こういった企画をぜひ実現していただきたいものです。
第1局は阿部光瑠4段の完璧な差し回しが印象に残りました。
以前、「人間の全敗の可能性も大あり」と予想しましたが、ものの見事にひっくり返してくれました。
第2局は佐藤慎一4段が中盤の3八馬など実力を見せてくれました。途中では私も人間が勝つのではないかとも思いました。じりじり差を詰められ、最後は逆転され無念の投了となりましたが、何というか体力負けの感じで、コンピュータの強さよりも人間の強さと弱さを感じました。
第3局の船江恒平5段対ツツカナはまさに激闘。船江5段は奨励会時代に詰将棋の看寿賞を受賞していて、お名前を知っていました。その後、詰将棋解答選手権優勝、加古川青流戦優勝、順位戦C級2組を全勝で一期抜けなど活躍していて、若手の注目株です。しかし、この将棋は、ツツカナの粘りが印象的でした。66銀はツツカナは自玉の詰みを読めず勝ちと思っていたので「粘り」ではなく「決め手」のつもりだったかもしれませんが、形勢を損ねた後の14歩、13玉、極めつけは23金打、32金。その前の55香も強い手でした。この1局も、人間が随所に力を見せながらも、徐々に気力と体力と持ち時間を削り取られて、最後にダウンという印象でした。
第4局は、Puella αが圧倒的な実力を見せました。入玉はコンピュータ将棋の今後の課題でしょう。2つの異質の戦略目標をバランスよく追求する、というのは、コンピュータ・ゲーム・プログラミングにとって興味深い課題なのではないでしょうか。本気で追求すれば、入玉将棋でも人間を上回るのは遠くはないでしょう。
どの将棋も面白く、ドラマティックでした。結果もある程度予想の範囲内でした。
とくに第3局はいい勝負で、船江5段にも十分勝機はありましたから、人間vsコンピュータをしばらく楽しめると思っていました。「持ち時間をもっと長くすれば人間も互角に戦えるのでは?」などと思っていました。
第5局を見るまでは。。。
ところが第5局。人間のトップに迫る実力の三浦弘行8段がGPS将棋に完敗でした。それも、人間のトップでもこう見事に勝つことはできないだろうというほどの圧倒的な内容でした。
コンピュータ将棋は人間のトップをすでに超えているようです。
かなりショックでした。
コンピュータが人間を圧倒するのが時間の問題であることは分かってはいました。その意味では、コンピュータが人間を上回ったこと自体はショックではありません。
しかし、チェスでは、最初にグランドマスターが負けてから、カスパロフとディープ・ソート、ディープ・ブルーの数年間に渡る闘いの末にようやくコンピュータが人間のトップに歴史的勝利を収めた、という経過がありました。ですから、将棋でもその歴史的闘いを数年間にわたり目撃できると私は思い、楽しみにしていました。
ところが、将棋では人間側が対局禁止令などをしいてボヤボヤしている間に、コンピュータにいつの間にか抜き去られていたわけです。
電王戦のPVを見ると、昨年の第1回で米長氏は勝つつもりだったようです。米長氏は、彼我の実力をまったく理解していなかったわけです。そのため、私たち将棋ファンは、一番熱くて興味深い歴史的な闘いを見届けることができませんでした。(きっとプロ将棋界にとっても一番商売になる瞬間をドブに捨ててしまったのでしょう。)
とはいえ、5人の勇者と5組のコンピュータソフト及び開発者には心から拍手を送りたいと思います。
5人の棋士はみな個性的で人間らしさをいろいろな角度から見せてくれました。注目しているうちに感情移入したからでしょうか、私はこの5人のファンになりました。今後もがんばっていただきたいです。
5組のソフトにも今後のさらなる成長を期待します。とくにGPSは空前のスーパースター登場です。プエラα、ツツカナを加えた3強の将棋は、非常に魅力的で、ぜひもっと見たいです。コンピュータ同士の闘いはfloodgateという場所で見られるようですが、見方がよくわからないし、見ても解説がないとすごさが分かりにくいので、人間との闘いがやはり見たいです。
1)既存の棋戦への参加
2)渡辺竜王・羽生3冠との番勝負
3)アマ強豪など人間との差し込み勝負
4)将棋倶楽部24への参戦(オール角落ちくらいでちょうど良いかも)
こういった企画をぜひ実現していただきたいものです。
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